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大腸に関するお悩み

「お風呂上がりにお腹が痛くなる…」意外な原因と改善法とは?

大腸に関するお悩み
「お風呂上がりにお腹が痛くなる…」意外な原因と改善法とは?
院長 柏木 宏幸院長 柏木 宏幸

院長 柏木 宏幸所属学会・資格

  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本内科学会 内科認定医
  • 日本消化器病学会 消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
  • 一般社団法人日本病院総合診療医学会
    認定病院総合診療医
  • 難病指定医
  • がん診療に関わる医師に対する緩和ケア 研修会 修了
  • PEG・在宅医療研究会 修了証

「お風呂に入ってリラックスしたはずなのに、なぜかお風呂上がりにお腹が痛くなる…」そんな経験はありませんか?特に、毎回のように腹痛を感じる場合、その原因が何なのか気になるところです。お風呂に入ることで、体は温まり血行が促進されます。しかし、それと同時に腸の動きが活発になったり、血圧の変動が起こったりすることで、腹痛を引き起こすことがあるのです。また、お風呂の温度や入浴時間、食事のタイミングなどが影響し、意外な原因が潜んでいることもあります。

本記事では、お風呂上がりの腹痛の原因を詳しく解説し、改善法や予防策についても紹介していきます。

お風呂が体に与える影響とは?温熱効果と自律神経の変化

お風呂に入ると体が温まり、血行が促進されます。これにより筋肉がほぐれ、リラックスできる効果があります。しかし、体が温まることで自律神経にも変化が起こり、胃腸の働きが活発になることがあります。特に、お風呂に入ると副交感神経が優位になり、リラックス状態になることで腸の動きが促進されるのです。

蠕動運動の活発化

通常、副交感神経の働きによって腸の蠕動(ぜんどう)運動が適度に活発化することは、消化を助けるために必要な生理現象です。しかし、お風呂の温熱効果で急激に腸が刺激されると、過剰な動きを引き起こし、腹痛の原因になることがあります。特に、もともと胃腸が敏感な人や、過敏性腸症候群(IBS)の傾向がある人は、お風呂の影響を受けやすいとされています。

入浴中に発汗が促進されると体の水分が失われます。水分不足になると、腸の働きが不安定になり、便秘や下痢を引き起こしやすくなります。お風呂の影響で腸の動きが活発になりすぎることが、お風呂上がりの腹痛の一因となっているのです。


冷えが原因?お風呂の温度とお腹の痛みの関係

お風呂に入ることで体が温まりますが、その後に体が急激に冷えると、胃腸の働きに影響を与えることがあります。特に、お風呂から出た後に冷えた空気に触れたり、薄着のままで過ごしたりすると、血管が収縮し、腸の血流が低下することで腹痛が起こりやすくなります。

お風呂の温度が高すぎると体温が上がりすぎてしまい、体が熱を発散しようとして血管を収縮させます。すると、お風呂を出た後に体が一気に冷えるため、腸の血流が乱れ、急な腹痛を感じることがあります。逆に、ぬるすぎるお湯では十分に体が温まらず、血行促進の効果が弱いため、胃腸の動きが不安定になり腹痛を引き起こすこともあります。

このように、お風呂の温度とお腹の痛みには密接な関係があるため、適切な温度(38〜40℃)での入浴を心がけ、体が急激に冷えないようにすることが重要です。お風呂上がりにバスローブやブランケットを使用し、冷たい飲み物を避けることで、胃腸への負担を軽減できます。


血流の変化による腸の刺激!腸の過活動が腹痛を引き起こす?

お風呂に入ると血流が良くなり、胃腸の血流も増加します。その結果、腸の動きが一時的に活発になり、腹痛を引き起こすことがあります。特に、胃腸が敏感な人は、お風呂による血流の変化が腸に過剰な刺激を与えることがあり、急な痛みや下痢につながることがあります。

腸の過剰な動き

腸の動きが過剰になると、溜まっていたガスが急に動き出したり、腸内の内容物が急激に押し出されたりして、お腹が張ったり痛みを感じたりすることがあります。お風呂に入った後に急にお腹が痛くなり、トイレに行きたくなるのは、この腸の過剰な動きが原因の一つです。

入浴時間が長すぎたり、お風呂の温度が高すぎたりすると、血流の変化が急激になり、腸の刺激がより強くなります。お風呂の影響を受けやすい人は、入浴時間を15〜20分程度に抑え、ぬるめのお湯(38〜40℃)に入ることで、腸の過剰な反応を防ぐことができます。


お風呂上がりの水分補給が不足すると腹痛につながる?

お風呂に入ると大量の汗をかき、体内の水分が失われます。水分が不足すると腸内の水分量も減少し、便が硬くなって便秘を引き起こしたり、腸の働きが不安定になって腹痛を感じたりすることがあります。特に、もともと腸が弱い人は脱水によって腸の動きが乱れやすくなるため、注意が必要です。

お腹の不調

水分が不足すると血液の粘度が高くなり、腸の血流が悪くなることも腹痛の原因になります。お風呂上がりに水分補給をせずに過ごしてしまうと、腸の動きが悪くなり、お腹の不調が起こりやすくなります。

このため、お風呂上がりには常温の水や白湯を飲み、腸の働きをスムーズにすることが重要です。冷たい飲み物を摂ると胃腸が急激に冷えてしまい、逆に腹痛を引き起こすことがあるため、できるだけ避けるようにしましょう。


食後すぐのお風呂がNGな理由!消化不良と腹痛の関係

食後すぐにお風呂に入ると、消化不良を引き起こしやすくなります。食事をした後は、消化のために血流が胃に集まり、胃の働きをサポートします。しかし、お風呂に入ると血流が全身に分散されてしまい、胃への血流が減少するため、消化が遅れてしまうのです。

腹痛や胃もたれ

胃の中に食べ物が長く留まり、消化不良による腹痛や胃もたれの原因となることがあります。特に、脂っこい食事や大量の食事を摂った後は、消化に時間がかかるため、食後すぐの入浴は避けるべきです。

食後にお風呂に入りたい場合は、最低でも30分から1時間は間隔を空けることが推奨されます。また、消化の良い食事を選ぶことで、腹痛のリスクを軽減することができます。


ストレスが関係?自律神経の乱れが腹痛を引き起こす仕組み

お風呂上がりに腹痛を感じる原因のひとつに、自律神経の乱れが関係していることがあります。お風呂に入ると体が温まり、リラックスすることで副交感神経が優位になります。副交感神経は胃腸の働きを活発にする役割があるため、急激な自律神経の切り替えが腸を刺激し、腹痛を引き起こすことがあるのです。

自律神経の乱れ

日頃からストレスが多い人は、自律神経のバランスが乱れやすく、胃腸の調子も不安定になりがちです。ストレスが溜まっていると交感神経が過剰に働きやすくなり、お風呂に入ることで急に副交感神経が優位になると、その切り替えに体が対応しきれず、腸の過活動を引き起こすことがあります。

このようなケースでは、お風呂に入る前に軽いストレッチを行ったり、深呼吸をしてリラックスする時間を設けると、自律神経の急激な変化を抑えることができます。


お風呂の入り方で改善!お腹の痛みを防ぐ入浴法

お風呂の入り方を工夫することで、お風呂上がりの腹痛を防ぐことができます。まず、お湯の温度は38〜40℃に設定し、血流の急激な変化を防ぐことが大切です。熱すぎるお湯は交感神経を刺激しすぎてしまい、入浴後に自律神経のバランスが崩れやすくなるため避けた方が良いでしょう。

入浴時間

また、入浴時間も重要です。長時間の入浴は体の水分を奪い、胃腸の動きを乱す原因となるため、15〜20分程度の入浴が適切です。お風呂の中で深呼吸をしたり、軽くマッサージをしたりすることで、副交感神経の働きを緩やかに整えることができます。

入浴後

入浴後は、急に体を冷やさないようにバスローブを羽織るなどして温かさを保ち、水分補給も忘れずに行いましょう。これらの工夫をすることで、お風呂上がりの腹痛を防ぐことができます。


お風呂の温度・時間は適切か?適切な温度と入浴時間の目安

お風呂の温度や時間が適切でないと、胃腸に負担をかけてしまい、腹痛の原因になることがあります。適切な入浴方法を知り、胃腸に優しい入浴習慣を身につけましょう。

温度は38〜40℃が理想的

ぬるめのお湯は副交感神経を優位にし、リラックスしながら腸の動きを整えてくれます。
42℃以上の熱すぎるお湯は交感神経を過度に刺激し、入浴後の自律神経の乱れを招くため注意が必要です。

入浴時間は15〜20分程度が最適

長湯をすると血流の変化が大きくなりすぎ、腸の働きを過剰に刺激してしまいます。短時間で体をしっかり温めるためには、半身浴ではなく全身浴を適度に取り入れるのが効果的です。入浴の仕方を見直すことで、お風呂上がりの腹痛を軽減し、快適な入浴時間を過ごすことができるようになる可能性が高いです。


お風呂上がりにおすすめの飲み物と避けるべき飲み物

お風呂上がりに摂る飲み物も、腹痛の予防に影響を与えます。適切な水分補給を行うことで、腸の働きを安定させ、胃腸の負担を軽減することができます。

おすすめの飲み物

白湯:胃腸を温め、消化をサポートする効果がある
常温の水:水分補給をしつつ、胃腸への負担を最小限にする
カモミールティー:リラックス効果があり、胃腸の不調を和らげる

避けるべき飲み物

冷たい水や炭酸飲料:胃腸を急激に冷やし、腹痛を引き起こしやすい
コーヒーや緑茶(カフェインを含む飲み物):胃酸の分泌を促し、胃腸への刺激が強くなる
アルコール:胃腸の粘膜を刺激し、消化を妨げる

お風呂上がりには、胃腸に優しい飲み物を選ぶことで、腹痛を予防することができます。


胃腸が弱い人必見!お風呂上がりの腹痛を防ぐ食事のポイント

胃腸が弱い人は、お風呂上がりの食事にも気をつける必要があります。特に、食後すぐにお風呂に入ると消化不良を引き起こしやすいため、入浴前後の食事のタイミングと内容に注意することが重要です。

お風呂の後に食事

お風呂の後に食事を摂る場合は、消化の良い食材を選び、胃腸への負担を減らすことがポイントです。具体的には、おかゆやスープ、豆腐、白身魚などの消化に優しい食材が適しています。反対に、脂っこいものや辛いもの、刺激の強い食品は避けたほうが良いでしょう。また、お風呂上がりにすぐに食事を摂るのではなく、少し時間を空けて胃腸を落ち着かせてから食べると、消化がスムーズになります。

お風呂上がりの腹痛

お風呂上がりに腹痛を感じる原因には、自律神経の乱れ、血流の変化、腸の過活動、冷え、水分不足、消化不良など、さまざまな要因が関係しています。これらの要因を理解し、適切な入浴法や生活習慣を取り入れることで、症状を改善することができます。適切な温度と時間で入浴し、食事のタイミングを調整しながら、ストレスを軽減する習慣を取り入れることで、お風呂上がりの腹痛を防ぐことができます。自分の体に合った入浴方法を見つけ、快適な時間を過ごしましょう。


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当院では、お風呂上がりの胃痛にお困りの方にもしっかりと診察と検査を行います。場合によっては、内視鏡検査のご提案もいたします。まずは、外来のご予約のうえご来院ください。胃カメラを当日希望の方は、胃カメラのWeb予約も可能です。24時間web予約が可能です。

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診療科目 消化器内科、内視鏡内科、内科