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食道に関するお悩み

「朝起きたら口が苦い?」それ、逆流性食道炎のサインかもしれません!

食道に関するお悩み
「朝起きたら口が苦い?」それ、逆流性食道炎のサインかもしれません!
院長 柏木 宏幸院長 柏木 宏幸

院長 柏木 宏幸所属学会・資格

  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本内科学会 内科認定医
  • 日本消化器病学会 消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
  • 一般社団法人日本病院総合診療医学会
    認定病院総合診療医
  • 難病指定医
  • がん診療に関わる医師に対する緩和ケア 研修会 修了
  • PEG・在宅医療研究会 修了証

朝起きたときに「口の中が苦い」「喉の奥がヒリヒリする」と感じることはありませんか?食べ物の味が変に感じたり、口の中がネバつくような感覚があったりすることもあるでしょう。これらの症状は、逆流性食道炎による胃酸の逆流が関係している可能性があります。

胃と食道の間には、「下部食道括約筋」という筋肉があり、通常は胃の内容物が逆流しないように働いています。しかし、この筋肉の働きが弱まると、胃酸や消化液が食道へ逆流し、口の中まで上がってくることがあります。その結果、朝起きたときに口の中が苦く感じたり、喉の違和感を覚えたりすることがあるのです。

もし、「朝だけ口が苦い」「夜寝ている間に喉が焼けるような感じがする」といった症状が続く場合は、逆流性食道炎を疑う必要があります。この記事では、逆流性食道炎の症状や原因、改善策について詳しく解説していきます。

逆流性食道炎とは?胃酸の逆流が引き起こす症状

逆流性食道炎とは、胃酸が食道へ逆流することで、食道の粘膜に炎症を引き起こす病気です。本来、胃の中の酸性環境は消化を助けるために必要ですが、胃酸が食道へ逆流すると、食道の粘膜が強い刺激を受け、さまざまな不快な症状が現れます。逆流性食道炎は、炎症の程度によって軽度・中等度・重度に分類され、放置すると食道潰瘍やバレット食道(食道がんのリスクを高める病変) につながることもあります。
特に、朝起きたときに口が苦いと感じる場合、胃酸の逆流が夜間に頻繁に起こっている可能性があるため、早めの対策が必要です。


朝の口の苦さはなぜ起こる?逆流性食道炎との関係

朝起きたときに口の中が苦く感じるのは、胃酸や胆汁が食道へ逆流し、それが口の中まで上がってきているためです。本来、食道と胃の間には「下部食道括約筋」と呼ばれる筋肉があり、胃の内容物が食道へ逆流するのを防いでいます。しかし、この括約筋の働きが弱まると、胃酸や消化液が食道へ逆流し、寝ている間に口の中にまで達してしまうのです。
特に、就寝中は立っているときと違い、重力の影響が少なくなるため、胃酸が逆流しやすい状態になります。日中であれば、逆流した胃酸は唾液によって洗い流されたり、食道の蠕動運動によって胃へ戻されたりしますが、寝ている間はそれらの働きが低下するため、胃酸が食道や喉、口の中に長時間留まることになります。その結果、朝起きたときに口の中が苦く感じたり、喉の奥がヒリヒリしたりする症状が現れるのです。

また、夕食の時間が遅い人や、脂っこい食事を摂る習慣がある人は、胃酸の分泌が過剰になりやすく、逆流が起こりやすくなります。アルコールやコーヒーの摂取も胃酸の逆流を助長するため、これらの飲み物を寝る前に摂ると、朝の口の苦さが悪化する可能性が高まります。もし、朝の口の苦さが頻繁に続く場合、逆流性食道炎の初期症状である可能性があるため、生活習慣の見直しや適切な治療を検討することが重要です。


口の苦さ以外にも!逆流性食道炎の代表的な症状

逆流性食道炎は、口の苦さだけでなく、さまざまな症状を引き起こす病気です。特に多いのが「胸焼け」と「呑酸(どんさん)」と呼ばれる症状で、これは胃酸が食道へ逆流することによって生じます。

①胸焼け

胸焼けは、みぞおちから胸の中央にかけて、焼けるような感覚を覚える症状で、食後や就寝時に特に強くなる傾向があります。逆流性食道炎の患者の多くが経験する症状であり、頻繁に胸焼けを感じる場合は、胃酸の逆流が慢性化している可能性があります。

②呑酸

呑酸とは、口の中に酸っぱい液体が込み上げてくるような感覚のことで、胃酸が食道を上がってくることで起こります。特に、横になったときや、前かがみの姿勢になったときに起こりやすいのが特徴です。

③逆流性食道炎

逆流性食道炎では、喉の違和感や慢性的な咳、声のかすれといった症状が出ることもあります。これは、胃酸が喉や気管を刺激し、炎症を引き起こすためです。食道の炎症が進行すると、食べ物が飲み込みにくくなる「嚥下障害(えんげしょうがい)」が現れることもあります。

これらの症状が続く場合は、逆流性食道炎が進行している可能性があるため、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが望ましいです。

逆流性食道炎を引き起こす主な原因とは?

逆流性食道炎は、さまざまな要因によって引き起こされますが、特に多いのが食生活の乱れや生活習慣の影響です。

①脂っこい食事や刺激の強い食べ物

脂っこい食事や刺激の強い食べ物の摂取は、胃酸の分泌を増加させるため、胃の内容物が逆流しやすくなります。特に、焼肉や揚げ物、アルコール、コーヒーなどは、逆流性食道炎を悪化させる原因となります。また、チョコレートやペパーミントは下部食道括約筋を緩める作用があり、胃酸が食道へ逆流しやすくなるため注意が必要です。

②食後すぐに横になる習慣

食後すぐに横になる習慣も、逆流を引き起こす原因のひとつです。食事を摂った後は、胃が活発に働いて消化を行うため、胃酸の分泌が増えます。この状態で横になると、重力による逆流防止機能が働かなくなり、胃酸が食道へ逆流しやすくなります。

③肥満や加齢

肥満や加齢も逆流性食道炎のリスクを高める要因です。肥満によって腹圧が高まると、胃が圧迫され、胃酸が逆流しやすくなります。加齢による筋力低下も、下部食道括約筋の機能低下を引き起こし、逆流を助長する原因となります。

このように、逆流性食道炎は食生活や生活習慣、加齢などの複数の要因が組み合わさって発症することが多いため、予防や改善のためには総合的な対策が必要です。

症状を悪化させる生活習慣とは?

逆流性食道炎の症状を悪化させる生活習慣には、いくつかの共通点があります。特に、以下のような習慣がある場合は、胃酸の逆流を促進し、症状を悪化させる可能性が高いため、改善することが望まれます。

逆流性食道炎を悪化させる生活習慣

  • 夜遅くに食事を摂る → 夕食の時間が遅いと、就寝までに消化が完了せず、胃酸の逆流が起こりやすくなる。
  • 食後すぐに横になる → 胃酸が食道へ逆流しやすくなるため、食後2~3時間は座った姿勢を保つのが理想的。
  • 脂っこい食事やアルコール、カフェインを頻繁に摂取する → これらの飲食物は胃酸の分泌を促し、逆流を助長する。
  • 肥満気味である、コルセットやベルトでお腹を締め付ける → 腹圧が高まることで、胃酸の逆流が起こりやすくなる。
  • ストレスが多い → ストレスは胃酸の分泌を増やし、症状を悪化させる原因となる。

これらの生活習慣を見直し、改善することで、逆流性食道炎の症状を軽減し、朝の口の苦さを予防することができます。


放置するとどうなる?逆流性食道炎のリスクと合併症

逆流性食道炎は、初期の段階では「朝起きたときに口が苦い」「胸焼けがする」といった比較的軽い症状が中心ですが、適切な対策をしないまま放置すると、症状が悪化し、深刻な合併症を引き起こす可能性があります。

①慢性的な食道の炎症

胃酸の逆流が続くと、食道の粘膜が長期間にわたって刺激を受け、炎症を繰り返します。これが進行すると、食道の粘膜がただれ、潰瘍(食道潰瘍)を形成することがあります。食道潰瘍が悪化すると、食事を飲み込む際に痛みを感じたり、出血して貧血を引き起こしたりすることがあります。

②バレット食道と食道がんのリスク

胃酸の刺激によって、食道の粘膜が通常とは異なる細胞に変化することがあり、これを「バレット食道」と呼びます。バレット食道は、食道腺がん(食道がんの一種)の前兆とされており、放置するとがんに進行する可能性があるため、特に注意が必要です。逆流性食道炎を長期間放置した人の一部には、バレット食道が発症し、その中の一部が食道がんへと進行するケースがあるため、定期的な内視鏡検査が推奨されます。

③誤嚥性肺炎や慢性咳嗽(がいそう)

胃酸が食道を越えて気管や喉へ達すると、慢性的な咳や声のかすれを引き起こすことがあります。これが続くと、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)を発症するリスクも高まります。特に高齢者の場合、就寝中に逆流した胃酸が気管に入り、肺炎を引き起こすことがあるため注意が必要です。

このように、逆流性食道炎を放置するとさまざまな合併症のリスクが高まるため、症状が軽いうちに適切な対策を取ることが重要です。


食事の改善がカギ!胃酸の逆流を防ぐ食べ方の工夫

逆流性食道炎の予防と改善には、日々の食事の工夫が非常に重要です。胃酸の分泌を抑え、逆流を防ぐためには、食事の内容や食べ方を見直す必要があります。

①食事の回数を増やし、一回の食事量を減らす

一度に大量の食事を摂ると、胃の内圧が上がり、胃酸が食道へ逆流しやすくなります。そのため、 1日3回の食事ではなく、1日4〜5回に分けて食べる(少量頻回食) ことで、胃への負担を減らすことができます。特に、夕食の量を少なめにすることで、就寝中の胃酸の逆流を防ぐことができます。

②食事の時間を見直す

夕食を寝る直前に摂ると、消化が終わらないまま横になることになり、胃酸が逆流しやすくなります。そのため、夕食は就寝の3時間前までに済ませるのが理想です。どうしても遅くなる場合は、消化の良いものを選び、脂っこいものを避けるようにしましょう。

③ゆっくり食べ、よく噛む

早食いは胃酸の分泌を促し、逆流の原因となるため、よく噛んでゆっくり食べることが重要です。よく噛むことで唾液の分泌が増え、胃の負担を減らすことができます。


口の苦さや不快感を引き起こす食品と、改善に役立つ食品

朝起きたときの口の苦さは、胃酸の逆流によって生じることが多いですが、普段の食事内容によっても影響を受けます。特に、胃酸の分泌を促進したり、口内の環境を悪化させたりする食品を摂りすぎると、症状が悪化する可能性があります。

①口の苦さを悪化させる食品

以下の食品は、胃酸の逆流を助長したり、口内環境を悪化させたりするため、控えることが推奨されます。

  • 脂肪分の多い食品(揚げ物、バター、クリームたっぷりの料理)
  • 強い酸味の食品(柑橘類、酢、トマト、ワイン)
  • カフェインを含む飲み物(コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンク)
  • アルコールや炭酸飲料(胃酸を増やし、逆流を引き起こしやすい)
  • 辛い食品(唐辛子、ニンニク、カレー)
  • チョコレートやペパーミント(下部食道括約筋を緩め、逆流を助長する)

これらの食品を摂りすぎると、胃酸の逆流が促され、口の中に苦味が残りやすくなるため、特に夕食ではできるだけ控えることが大切です。

②口の苦さを軽減する食品

逆に、胃に優しく、口内の環境を整える食品を積極的に摂ることで、朝の口の苦さを防ぐことができます。

  • キャベツや大根(胃粘膜を保護し、胃酸の影響を和らげる)
  • ヨーグルト(口内の善玉菌を増やし、口臭や苦味を抑える)
  • バナナ(胃酸を中和し、口の苦さを軽減)
  • 白湯(胃を温め、胃酸の過剰分泌を抑える)
  • はちみつ(抗菌作用があり、口臭の予防にも役立つ)

このように、食事の工夫によって胃酸の逆流を抑え、朝の口の苦さを予防することができるのです。


朝起きたときの口の苦さを和らげる習慣とは?

口の苦さが続く場合は、食事だけでなく、日々の生活習慣を見直すことも重要です。特に、夜間の胃酸逆流を防ぐために、就寝前の過ごし方を改善することで、症状を軽減できる可能性があります。

夜の過ごし方のポイント

①夕食は就寝3時間前までに済ませる

食後すぐに寝ると胃酸が逆流しやすくなるため、できるだけ就寝の3時間前までに食事を終えることが理想的です。

②アルコールやカフェインを控える

アルコールやカフェインは胃酸の分泌を増やし、逆流を助長するため、寝る前の摂取は避けるのがベストです。

③寝る姿勢を工夫する

上半身を少し高くすることで、重力の影響を利用し、胃酸の逆流を防ぐことができます。左向きに寝ると、胃の構造上、胃酸の逆流を抑えやすいことが分かっています。

④寝る前に白湯やカモミールティーを飲む

胃を温め、消化を助ける効果があり、口の苦さや胃酸の逆流を防ぐのに役立ちます。

このように、就寝前の習慣を見直すことで、朝の口の苦さを軽減することが可能です。


口の苦さを和らげるための口内ケア

逆流性食道炎が原因で口が苦くなる場合でも、口内環境を整えることで、不快感を軽減することができます。特に、胃酸が口内に到達すると、口の中が酸性になり、細菌が繁殖しやすくなるため、適切な口腔ケアが重要になります。

朝の口の苦さを和らげる口内ケアのポイント

①寝る前と朝の歯磨きを徹底する

就寝中は唾液の分泌が減り、細菌が繁殖しやすいため、寝る前の歯磨きは特に念入りに行うことが推奨されます。舌の掃除も忘れずに行い、口の中に溜まった細菌を取り除くことが大切です。

②マウスウォッシュを活用する

胃酸が口の中に上がると、口臭や苦味の原因になるため、抗菌作用のあるマウスウォッシュを使用すると効果的です。

③口をうるおすために水分をしっかり摂る

水分不足になると、唾液の分泌が減り、口の中が乾燥して細菌が増えやすくなります。寝る前や朝起きたときにコップ1杯の水を飲むことで、口内環境を整えることができます。

④ガムを噛む

唾液の分泌を促すことで、胃酸の中和や口の中の洗浄作用が期待できます。キシリトール入りのガムを噛むことで、虫歯予防にもなり一石二鳥です。

口の中の不快感を減らすためには、胃酸逆流の対策と並行して、適切な口内ケアを続けることが大切です。


口の苦さが続く場合は病院へ!受診の目安と診断方法

朝の口の苦さが長期間続く場合、逆流性食道炎が慢性化している可能性があるため、早めに医療機関を受診することが推奨されます。

①受診の目安となる症状

  • 2週間以上、毎朝口が苦い状態が続いている
  • 胸焼けや呑酸(口の中に酸っぱい液がこみ上げる)も頻繁に起こる
  • 食べ物を飲み込むときに違和感や痛みを感じる
  • 体重減少や食欲不振が続いている

②病院での診断方法

医療機関では、問診の後、必要に応じて以下のような検査が行われます。

  • 胃カメラ(内視鏡検査):食道や胃の炎症の有無を確認する。
  • ピロリ菌検査:胃の炎症の原因がピロリ菌によるものかを調べる。
  • pHモニタリング検査:食道内の酸性度を測定し、胃酸逆流の頻度を確認する。
    (可能な医療機関は限定されます。)
  • 食道内圧測定検査:食道の蠕動運動の異常が疑われる場合に食道内部の圧(内圧)を確認する。(可能な医療機関は限定されます。)

症状が続く場合は、病院で適切な治療を受けることが重要です。


ご予約はこちらから

当院では、逆流性食道炎かもしれないとお困りの方にもしっかりと診察と検査を行います。場合によっては、内視鏡検査のご提案もいたします。まずは、外来のご予約のうえご来院ください。胃カメラを当日希望の方は、胃カメラのWeb予約も可能です。24時間web予約が可能です。

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