逆流性食道炎のリスクを減らす食事と日常習慣とは?

院長 柏木 宏幸所属学会・資格
- 日本内科学会 総合内科専門医
- 日本内科学会 内科認定医
- 日本消化器病学会 消化器病専門医
- 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
- 一般社団法人日本病院総合診療医学会
認定病院総合診療医 - 難病指定医
- がん診療に関わる医師に対する緩和ケア 研修会 修了
- PEG・在宅医療研究会 修了証
逆流性食道炎とは、胃酸が食道に逆流することで、食道の粘膜が炎症を起こす病気です。胸焼けや呑酸(酸っぱい液体が喉に上がる症状)、喉の違和感などが特徴的な症状です。放置すると食道の炎症が慢性化し、バレット食道や食道がんのリスクが高まることもあるため、早めの対策が重要です。
・逆流性食道炎の主な原因
→食生活の乱れ(脂っこい食事、暴飲暴食、刺激物の摂取)
→生活習慣の影響(姿勢の悪さ、ストレス、運動不足)
→胃の働きの低下(加齢、胃の蠕動運動の低下)
→肥満(腹圧が上がり、胃酸が逆流しやすくなる)
→食道の括約筋の機能低下(食道と胃の間の弁が緩むことで、胃酸が逆流しやすくなる)
逆流性食道炎の予防には、食生活の見直しと日常習慣の改善が不可欠です。
逆流性食道炎の発症リスクを高める食生活と生活習慣
逆流性食道炎は、食生活の乱れや不適切な生活習慣によって発症リスクが高まる病気です。特に、現代の食習慣や生活スタイルは逆流性食道炎の原因になりやすい要素が多いため、注意が必要です。
逆流性食道炎を引き起こしやすい食習慣とは?
まず、食べるものだけでなく、食べ方も発症のリスクに大きく関わります。以下のような食習慣が続くと、胃酸の分泌が過剰になったり、食道への逆流が起こりやすくなったりします。
①高脂肪・高カロリーな食事

脂っこい食事は、胃酸の分泌を促し、消化に時間がかかるため、胃の負担が増加します。さらに、脂質の多い食事をとると、胃の出口(幽門)の動きが鈍くなり、胃の中に食べ物が長時間とどまることになります。その結果、胃の圧力が高まり、食道へ胃酸が逆流しやすくなるのです。例えば、揚げ物(天ぷら、フライドチキン)、ラーメン、ピザ、バターやクリームをたっぷり使った料理などは、胃酸分泌を過剰に促し、逆流を引き起こしやすくなります。
②刺激の強い食べ物の摂取
香辛料の多い食べ物や酸味の強い食品は、食道や胃の粘膜を刺激し、炎症を悪化させる原因になります。例えば、唐辛子を多く含む辛い料理、柑橘類(レモン・オレンジなど)、トマトや酢の強い食品は、胃酸の逆流を助長することがあるため、逆流性食道炎の人には控えるべき食材です。
③食べ過ぎ・早食い
食べ過ぎると胃が過度に膨張し、胃の圧力が上昇するため、胃酸が食道に逆流しやすくなります。また、早食いをすると、食べ物が十分に噛まれないまま胃に送られるため、消化に時間がかかり、胃酸の分泌が増える原因になります。逆流性食道炎を予防するためには、適量をゆっくり食べることが大切です。
逆流性食道炎を悪化させる生活習慣
食事以外の生活習慣も、逆流性食道炎の発症リスクを高めます。特に、姿勢やストレス、喫煙・飲酒といった日常の習慣が、食道への負担を増やす要因となります。
①食後すぐに横になる
食後にすぐ横になると、重力の影響で胃の内容物が食道へ逆流しやすくなります。特に、食後2時間以内に横になると、胃の中に残っている食べ物や胃酸が逆流し、胸焼けの原因となります。これを防ぐためには、食後は最低でも2〜3時間は横にならず、座ったり立っている状態を保つことが推奨されます。
②寝る直前の食事
寝る前に食事をすると、胃の中に食べ物が残ったまま横になることになり、逆流のリスクが大幅に高まります。特に夜遅くに脂っこい食べ物やアルコールを摂取すると、食道の括約筋の機能が弱まり、胃酸が逆流しやすくなります。就寝の3時間前には食事を終えるように心がけましょう。
③タバコの習慣
喫煙は、逆流性食道炎を悪化させる大きな要因の一つです。タバコに含まれるニコチンは、食道と胃の間にある「下部食道括約筋」の働きを弱めるため、胃酸が食道に逆流しやすくなります。また、喫煙によって胃酸の分泌が促進されるため、食道の粘膜への刺激が強くなり、炎症を引き起こしやすくなります。
④ストレスと睡眠不足
ストレスがたまると、自律神経が乱れ、胃の働きが正常に機能しなくなることがあります。これにより、胃酸の分泌が増加し、胃の消化機能が低下するため、逆流が起こりやすくなります。また、睡眠不足になると、消化管のリズムが乱れ、胃の働きが低下しやすくなるため、注意が必要です。
逆流性食道炎を防ぐための食事の基本ルール
逆流性食道炎を予防・改善するためには、食べるものだけでなく、食べるタイミングや量、調理方法も重要です。食事の基本ルールを守ることで、胃への負担を減らし、逆流のリスクを低下させることができます。
①胃酸の分泌を抑える食事を心がける
消化の良い食品を中心に摂ることで、胃酸の過剰な分泌を防ぐことができます。特に、低脂肪・高たんぱくな食事を意識することで、胃への負担を軽減できます。例えば、白身魚、鶏むね肉、豆腐、温野菜、おかゆ、ヨーグルトなどは、消化が良く、胃に優しい食品です。
②食事のリズムを整える
食事の時間を一定にすることで、胃の働きを安定させることができます。1日3回の食事を規則正しくとり、空腹時間を長くしすぎないことも重要です。長時間の空腹後に食事を摂ると、胃酸が一気に分泌されるため、逆流を引き起こしやすくなります。
③食後の過ごし方に気をつける
食後すぐに横になるのはNGです。最低でも2〜3時間は座っているか、軽く体を動かすことで、胃の消化を助けることができます。また、食後に適度なウォーキングを行うことで、胃の働きを促進し、胃酸の逆流を防ぐ効果があります。
逆流を防ぐために積極的に摂りたい食品と栄養素
逆流性食道炎を予防・改善するためには、胃に優しい食品を積極的に摂取し、胃酸の分泌を抑えながら食道の粘膜を保護することが重要です。特に、消化の良い食品や抗炎症作用のある栄養素を含む食材を適切に取り入れることで、逆流のリスクを軽減できます。
①胃の粘膜を保護する食品
逆流性食道炎では、食道や胃の粘膜が炎症を起こしやすくなっているため、粘膜を保護する効果のある食品を意識的に摂ることが大切です。
キャベツ
キャベツには「ビタミンU(キャベジン)」という成分が含まれており、胃の粘膜を修復し、保護する働きがあります。胃の調子を整える効果もあるため、積極的に摂りたい野菜の一つです。
大豆製品(豆腐、納豆、味噌、豆乳)
大豆に含まれるイソフラボンは、抗炎症作用があり、胃の粘膜を守る効果があります。特に豆腐や豆乳は消化が良く、胃に負担をかけないため、逆流性食道炎の人におすすめです。
ヨーグルト(無糖)
ヨーグルトには、腸内環境を整える乳酸菌が含まれており、胃腸の働きを助けます。ただし、酸味の強いヨーグルトは胃を刺激する可能性があるため、できるだけプレーンタイプ(無糖)のものを選ぶようにしましょう。
②胃酸の分泌を抑える食品
胃酸の分泌を抑える効果が期待できる食品を摂取することで、逆流のリスクを減らすことができます。
バナナ
バナナは胃に優しく、消化しやすい果物です。また、アルカリ性の食品であるため、胃酸の過剰な分泌を抑える効果もあります。
リンゴ
リンゴにはペクチンが含まれており、胃の粘膜を保護しながら消化を助ける効果があります。皮ごと食べると食物繊維も摂取でき、腸の働きを整えるのにも役立ちます。
オートミール
オートミールは水溶性食物繊維が豊富で、胃に優しい食材です。消化が良く、血糖値の急上昇を防ぐ働きもあるため、朝食に取り入れるのもおすすめです。
③抗炎症作用のある食品
炎症を抑える働きのある食品を積極的に摂取することで、食道の炎症を軽減し、症状の改善を助けることができます。
オリーブオイル
オリーブオイルには抗酸化作用があり、胃の粘膜を保護する働きがあります。サラダや料理に適量を加えることで、健康的に摂取できます。
ショウガ
ショウガには消化を助ける働きがあり、胃の負担を軽減する効果があります。ただし、刺激が強すぎると逆効果になるため、少量を料理に取り入れる程度が良いでしょう。
これらの食品を日常的に取り入れることで、逆流性食道炎の症状を和らげ、発症リスクを低減することが可能です。
逆流を悪化させる食べ物と飲み物:避けるべきポイント
逆流性食道炎を防ぐためには、胃酸の分泌を促したり、胃の負担を増やす食品を避けることが重要です。特に、脂っこい食べ物や刺激の強い食品は逆流を悪化させるため、できるだけ控えるようにしましょう。
①胃酸の分泌を促す食べ物
・揚げ物(唐揚げ、天ぷら、フライドポテトなど)
油を大量に使った料理は消化に時間がかかり、胃酸の分泌を促進します。さらに、胃の中に長くとどまるため、逆流が起こりやすくなります。
・高脂肪食品(バター、チーズ、生クリーム)
乳製品に含まれる脂肪分が多いと、胃酸の分泌が増えて逆流の原因になります。特にチーズや生クリームを多く使った料理は注意が必要です。
②刺激の強い食べ物
・辛い料理(カレー、キムチ、唐辛子を使った料理)
唐辛子などの香辛料は胃を刺激し、食道の炎症を悪化させることがあります。特に空腹時に辛いものを食べると、胃酸が過剰に分泌されやすくなるため注意しましょう。
・酸味の強い食べ物(柑橘類、酢の強い料理)
柑橘類(オレンジ、グレープフルーツ、レモン)や酢を多く使った料理は、胃酸の分泌を刺激し、逆流を引き起こす可能性があります。
③逆流を引き起こしやすい飲み物
・炭酸飲料(コーラ、ソーダ、ビール)
炭酸飲料は胃を膨張させ、胃酸の逆流を促進するため、逆流性食道炎の人には不向きです。特にビールはアルコールも含まれるため、胃酸の分泌をさらに増加させます。
・コーヒーや紅茶(カフェイン入り飲料)
カフェインには胃酸の分泌を刺激する作用があるため、コーヒーや紅茶の摂取は控えめにするのが良いでしょう。どうしても飲みたい場合は、カフェインレスのものを選ぶのがおすすめです。
逆流性食道炎を予防するためには、これらの食品や飲み物をできるだけ避け、胃に優しい食事を心がけることが大切です。
逆流性食道炎を防ぐ食後の過ごし方と適切な食事時間
逆流性食道炎を予防・改善するためには、「何を食べるか」だけでなく、「どのように食べるか」も重要です。食後の過ごし方や食事のタイミングを工夫することで、胃酸の逆流を防ぐことができます。
①食後すぐに横になるのは厳禁!最低2〜3時間は起きていること
食事をした後すぐに横になると、胃の内容物が重力の影響で食道に逆流しやすくなります。特に、食道と胃の境目にある「下部食道括約筋」が弱くなっている人は、食後の姿勢に気をつけることで逆流を防ぐことができます。
・正しい食後の過ごし方
→食後2〜3時間は横にならず、座ったり立って過ごす。
→デスクワークなどで座る場合は、背筋を伸ばし、前かがみにならないように意識する。
→軽いウォーキングをすることで、消化を助け、胃の内容物が適切に腸へ送られやすくなる。
逆に、食後すぐにソファで横になる、寝転んでテレビを見るなどの習慣がある人は、胃酸の逆流を引き起こしやすくなるため注意が必要です。
②夕食は就寝3時間前までに済ませるのが理想
夜遅くの食事は、胃の中に食べ物が残ったまま寝ることになるため、逆流のリスクが大幅に上がります。寝ている間は胃の動きも低下するため、未消化の食べ物が胃の中に長くとどまり、逆流しやすい環境を作ってしまうのです。
・理想的な食事時間
→朝食:起床後30〜60分以内に摂る(胃酸の過剰分泌を防ぐため)。
→昼食:12時〜13時の間に摂取し、規則正しいリズムを保つ。
→夕食:寝る3時間前までに食べ終わる(例えば22時に寝るなら19時までに食事を終える)。
もし、どうしても遅い時間に食べる必要がある場合は、消化の良い食事(おかゆ、スープ、豆腐など)を少量にとどめ、胃への負担を減らすことが重要です。
③ゆっくりよく噛んで食べることが大切
早食いをすると、食べ物が十分に咀嚼されないまま胃に送られるため、胃の負担が大きくなり、胃酸の分泌が過剰になりやすくなります。逆に、しっかり噛むことで消化が助けられ、胃酸の過剰な分泌を抑えることができます。
・理想的な食べ方
→一口30回を目安によく噛む。
→一度に食べる量を減らし、小分けに食べることで胃の負担を軽減する。
→水分は食事中ではなく、食事前後に摂ることで、胃液が薄まるのを防ぐ。
逆流性食道炎を防ぐための正しい食事スケジュールとタイミング
逆流性食道炎を防ぐためには、食事のタイミングや間隔も重要です。不規則な食事は胃のリズムを乱し、胃酸の分泌バランスを崩してしまうため、なるべく規則正しい食事を心がけましょう。
①食事間隔を適切に空ける
1日3回の食事を一定の時間に摂ることで、胃のリズムが安定し、胃酸の過剰分泌を防ぐことができます。食事の間隔が長すぎると、空腹時に胃酸が過剰に分泌され、逆流を引き起こしやすくなるため注意が必要です。
・おすすめの食事スケジュール
→朝食:7時〜8時(胃酸の分泌を穏やかにするために、軽めでも必ず食べる)
→昼食:12時〜13時(午後のエネルギー補給)
→夕食:18時〜19時(寝る3時間前までに摂るのが理想)
→間食:15時頃(小腹がすいたら消化の良いものを少量摂る)
②間食を上手に活用する
逆流性食道炎の人は、一度に大量の食事を摂ると胃の圧力が上がり、逆流の原因になるため、少量ずつ分けて食べる「分食」が効果的です。
・おすすめの間食
→ヨーグルト(無糖)
→バナナやリンゴなどの消化に良い果物
→オートミール入りの軽食
→ナッツ類(アーモンド、クルミなど少量)
一方で、チョコレートやスナック菓子、コーヒーなどの刺激物は避けるべきです。
禁煙・減酒のすすめ!タバコとアルコールが逆流性食道炎を悪化させる理由
喫煙
喫煙とアルコールの摂取は、逆流性食道炎を悪化させる大きな要因の一つです。タバコに含まれるニコチンは、食道と胃の境目にある「下部食道括約筋」の働きを弱める作用があります。本来、この筋肉は胃酸が食道に逆流しないようにする役割を果たしていますが、喫煙によって弛緩し、胃酸が逆流しやすくなります。さらに、タバコの煙に含まれる有害物質は、胃の粘膜を刺激し、炎症を悪化させる可能性があります。そのため、逆流性食道炎の症状を持っている人は、できるだけ禁煙をすることが望ましいです。
アルコール摂取
アルコールも逆流性食道炎に悪影響を与えます。特に、ビールやワインなどのアルコール飲料は胃酸の分泌を促進し、胃の粘膜を刺激するため、逆流を引き起こしやすくなります。また、アルコールは胃の働きを鈍らせ、消化を遅らせるため、胃の中に食べ物が長くとどまり、逆流のリスクが高まります。さらに、アルコールは脱水作用があるため、胃の粘膜が乾燥し、ダメージを受けやすくなります。飲酒の習慣がある人は、まずはアルコールの摂取量を減らすことから始めるのが良いでしょう。例えば、アルコール度数の低い飲み物を選ぶ、飲酒の頻度を減らす、食事と一緒にゆっくり飲むなどの工夫ができます。また、どうしても飲みたい場合は、胃に負担をかけにくい日本酒のぬる燗や焼酎の水割りなどを選び、過剰な飲酒を避けるように心がけましょう。
禁煙や減酒は、逆流性食道炎の改善だけでなく、健康全般にも良い影響をもたらします。少しずつでも意識して生活習慣を変えていくことが大切です。
食事だけじゃない!日常生活で気をつけるべき逆流性食道炎を防ぐ習慣とは?
逆流性食道炎を予防するためには、食事の内容や食べ方だけでなく、日常の生活習慣にも気を配ることが重要です。食生活を整えても、日常の過ごし方が悪ければ、症状が改善されにくくなります。特に、姿勢や服装、入浴の仕方などが胃の圧力に影響を与え、逆流を引き起こす原因になることがあります。
食後の過ごし方
繰り返しにはなりますが、食後の過ごし方が特に重要で、食べ終わった直後にすぐに座ったり、前かがみになったりすると、胃に圧力がかかり、逆流しやすくなります。食後はできるだけ背筋を伸ばし、軽い散歩をすることで、胃の内容物がスムーズに小腸へ移動し、逆流を防ぐことができます。逆に、ソファやベッドでリラックスした姿勢を取ると、胃の内容物が上に押し戻されるリスクが高まるため、注意が必要です。
服装
服装も逆流性食道炎の発症に関わる要因の一つになります。締め付けの強い服を着ていると、胃の圧力が上がり、胃酸が逆流しやすくなります。特に、ウエスト部分を締め付けるベルトや、ぴったりとしたジーンズ、コルセットなどを長時間着用すると、胃が圧迫されてしまうため、なるべくゆったりした服装を選ぶことが推奨されます。
入浴
また、入浴のタイミングにも気をつける必要があります。食後すぐに入浴すると、血流が消化器官から皮膚へと移動し、消化の効率が低下します。胃の中に食べ物が残っている状態で入浴すると、胃の動きが鈍くなり、逆流しやすくなってしまいます。そのため、食事後1時間以上経過してから、ぬるめのお湯にゆっくり浸かるのが理想的です。
日常生活の中でこれらのポイントを意識することで、逆流性食道炎の症状を和らげることができます。
ストレスと逆流性食道炎の関係
ストレスは逆流性食道炎を悪化させる大きな要因の一つです。精神的なストレスがかかると、自律神経のバランスが崩れ、胃酸の分泌が増加します。特に、強いストレスを感じると交感神経が優位になり、胃の働きが乱れやすくなります。これにより、胃酸の過剰な分泌や消化不良が起こり、逆流が発生しやすくなります。
ストレスによる食生活の乱れ
さらに、ストレスによって食生活が乱れることも問題です。イライラしたときに暴飲暴食をしたり、甘いものや刺激物を過剰に摂取したりすると、胃に負担がかかり、逆流を引き起こしやすくなります。また、ストレスによって睡眠の質が低下すると、胃の回復が遅れ、症状が慢性化しやすくなります。
日常的なリラックス時間
ストレスを軽減するためには、日常的にリラックスする時間を作ることが重要です。例えば、深呼吸やストレッチ、ヨガ、瞑想などを取り入れることで、リラックス効果が得られます。運動もストレス解消に効果的ですが、激しい運動は胃に負担をかけることがあるため、ウォーキングや軽いストレッチなどの穏やかな運動を取り入れるのが理想的です。特に、食後の軽い散歩は消化を助けるとともに、リラックス効果も期待できます。
このように、ストレスを適切に管理し、リラックスする時間を意識的に作ることで、逆流性食道炎の症状を軽減することができます。
睡眠の質が逆流を左右する?寝るときの姿勢
睡眠中の姿勢は、逆流性食道炎の症状に大きな影響を与えます。特に、仰向けで寝ると、胃の内容物が重力によって食道へ逆流しやすくなります。そのため、寝るときの姿勢を工夫することが重要です。
睡眠
逆流を防ぐためには、上半身を少し高くするのが効果的です。枕を2枚重ねたり、ベッドの上半身部分を10〜15度ほど傾けたりすることで、胃酸の逆流をある程度防ぎやすくなります。また、寝る向きにも工夫が必要です。一般的に、左向きに寝ると胃の形状的に逆流しにくくなるとされています。これは、胃の出口(幽門)が右側にあるため、左向きに寝ることで胃の内容物が小腸へスムーズに流れやすくなるからです。一方で、右向きに寝ると、胃酸が食道へ逆流しやすくなるため、症状が出やすくなります。
寝る前の行動
睡眠の質を向上させることも、逆流性食道炎の改善に役立ちます。寝る前にスマートフォンやパソコンの画面を見すぎると、自律神経が乱れて胃の働きに影響を与えるため、就寝1時間前にはリラックスした環境を整えることが大切です。また、寝る直前の飲食を避け、胃を休める時間を作ることで、夜間の逆流を防ぐことができます。
睡眠中の逆流を防ぐためには、寝る姿勢や枕の選び方を工夫し、質の良い睡眠を確保することが大切です。
ご予約はこちらから
当院では、逆流性食道炎とお悩みの方に丁寧に診察と検査を行います。場合によっては、内視鏡検査のご提案もいたします。まずは、外来のご予約のうえご来院ください。胃カメラ希望でご来院される場合にはWebにて直接胃カメラのご予約も可能となっております。24時間web予約が可能です。