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便に関するお悩み

便秘を解消するための意外な方法と効果的な習慣

便に関するお悩み
便秘を解消するための意外な方法と効果的な習慣
院長 柏木 宏幸院長 柏木 宏幸

院長 柏木 宏幸所属学会・資格

  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本内科学会 内科認定医
  • 日本消化器病学会 消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
  • 一般社団法人日本病院総合診療医学会
    認定病院総合診療医
  • 難病指定医
  • がん診療に関わる医師に対する緩和ケア 研修会 修了
  • PEG・在宅医療研究会 修了証

便秘の原因と解消の基本的な考え方

便秘とは

便秘は単に「便が出にくい」状態を指すのではなく、腸内環境の乱れや生活習慣の影響を受けて発生するものです。ストレスや食生活の偏り、水分不足、運動不足など、さまざまな要因が重なることで、腸の動きが鈍くなり、便がスムーズに排出されなくなります。便秘を解消するには、「腸の動きを正常化すること」と「便の性質を整えること」が重要です。一般的に、食物繊維を摂取し、水分をしっかり取ることが推奨されますが、意外な方法でも便秘が改善されることがあります。ここでは、便秘解消のための意外な方法と、より効果的な食事習慣について詳しく解説していきます。


便秘を解消するための意外な方法

便秘を改善するためには、一般的な方法以外にも、あまり知られていない意外な習慣を取り入れることで腸の動きを促進できることがあります。

朝起きてすぐに白湯を飲む

水を飲むことが便秘に良いというのはよく知られていますが、特に朝起きた直後に白湯を飲むことで、腸が目覚めて動きやすくなります。冷たい水ではなく、温かい白湯をゆっくり飲むことで、腸の血流が良くなり、ぜん動運動が活発になります。胃が刺激されることで、大腸の動きが促され、自然な排便が期待できます。

腹式呼吸を意識する

呼吸と腸の動きは関係がないように思われがちですが、深い呼吸を行うことで腸が刺激され、便秘解消につながることがあります。特に、腹式呼吸を意識すると、腹圧がかかるため、腸の動きを活性化させる効果があります。ゆっくり鼻から息を吸い、お腹を膨らませた後、口から息を吐きながらお腹をへこませるという動作を繰り返すことで、自律神経のバランスが整い、腸の働きがスムーズになります。リラックス効果もあるため、ストレス性の便秘にも効果的です。

腸のマッサージをする

便秘の際に、お腹をマッサージすると腸が刺激され、排便がスムーズになることがあります。特に、へその周りを「の」の字を書くように時計回りにマッサージすると、腸のぜん動運動が促進されやすくなります。入浴時や寝る前に優しくマッサージを行うことで、便がスムーズに排出されやすくなります。

トイレの姿勢を変える

意外かもしれませんが、トイレでの姿勢を変えるだけで便秘が改善されることがあります。洋式トイレを使用する際、足元に小さな台を置いて膝を少し高くすることで、和式トイレのような姿勢になり、腸がまっすぐになるため、排便がスムーズになります。足を少し高くするだけで便が出やすくなるため、便秘に悩んでいる人は試してみると良いでしょう。

寝る前のストレッチで腸を活性化する

就寝前に軽いストレッチを行うと、腸の動きを活発にすることができます。特に、仰向けの状態で両膝を抱え込むようにして、お腹を圧迫するポーズを取ると、腸が刺激され、翌朝の排便がスムーズになります。ヨガのポーズの一つである「ガス抜きのポーズ」も便秘解消に効果的です。


便秘解消のための効果的な食事習慣

便秘を改善するためには、日々の食生活を見直すことが不可欠です。特に、食物繊維、水分、発酵食品を意識的に摂取することが重要です。

食物繊維のバランスを考える

食物繊維には「不溶性」と「水溶性」の2種類があります。不溶性食物繊維は便のかさを増やして腸を刺激し、水溶性食物繊維は便を柔らかくする働きがあります。どちらか一方だけを摂るのではなく、バランスよく取り入れることが大切です。不溶性食物繊維を多く含む食品には、玄米、大豆、ゴボウ、さつまいも、キノコ類などがあります。一方、水溶性食物繊維を含む食品には、海藻類、オクラ、納豆、りんご、バナナなどがあります。これらを組み合わせることで、より効果的に便秘を解消することができます。

発酵食品で腸内環境を整える

腸内環境を改善するためには、乳酸菌やビフィズス菌を含む発酵食品を積極的に摂取することが重要です。ヨーグルト、キムチ、ぬか漬け、納豆、味噌などの発酵食品を日常的に食べることで、腸内の善玉菌が増え、腸の動きが活発になります。特に、プレーンヨーグルトにオリゴ糖を加えると、善玉菌のエサになり、腸内環境がより整いやすくなります。

オリーブオイルで腸を潤す

オリーブオイルには腸の動きを促進し、便をスムーズに排出する効果があります。特に、朝食時にスプーン1杯のオリーブオイルを摂取することで、腸が滑らかになり、便が出やすくなります。オリーブオイルをサラダやスープに加えるなど、日常的に摂取することで、便秘予防にもつながります。

十分な水分を摂る

水分が不足すると便が硬くなり、排便が困難になります。特に、食物繊維を多く摂取している場合は、しっかりと水を飲まなければ、かえって便秘が悪化することがあります。1日に1.5~2リットルの水分を目安にし、こまめに水を飲む習慣をつけることが大切です。


便秘を悪化させるNG習慣

便秘を改善するためには、正しい方法を取り入れるだけでなく、便秘を悪化させる原因となる生活習慣を見直すことも重要です。知らず知らずのうちに便秘を引き起こしている習慣を続けていると、どんなに食事や運動に気をつけても効果が半減してしまいます。ここでは、便秘を悪化させる主なNG習慣について詳しく解説します。

朝食を抜く習慣

朝食を取らないと、胃に食べ物が入らず「胃結腸反射」が起こりにくくなります。胃結腸反射とは、食べ物が胃に入ることで大腸が刺激され、便を押し出す動きが活発になる現象のことです。この反射を活用するためには、しっかりと朝食を取ることが大切です。特に、食物繊維を含む食品を摂ると腸が刺激され、より効果的に便意を感じることができます。

トイレを我慢することが多い

忙しいからといって便意を我慢してしまうと、大腸が本来の動きを忘れてしまい、便秘を悪化させる原因になります。排便のタイミングを逃すと、便が大腸に長くとどまり、水分が吸収されて硬くなり、さらに出にくくなります。便意を感じたらできるだけ我慢せず、すぐにトイレに行く習慣をつけることが大切です。

ストレスを溜めやすい

精神的なストレスは腸の動きに大きく影響を与えます。ストレスが溜まると自律神経のバランスが崩れ、腸の動きが低下し、便秘を引き起こします。特に、仕事や家庭のストレスが多い人は、リラックスできる時間を作ることが大切です。深呼吸や軽い運動、趣味の時間を持つことでストレスを和らげ、腸の働きを整えることができます。

運動不足が続いている

腸の動きは、体の動きと連動しています。運動不足になると腸のぜん動運動が鈍くなり、便秘を引き起こしやすくなります。特に、デスクワークが多い人は長時間同じ姿勢でいることが多く、腸の動きが低下しやすくなります。軽いウォーキングやストレッチを日常に取り入れることで、腸の働きを活性化させることができます。

加工食品や脂っこい食事が多い

ファストフードやスナック菓子などの加工食品には、腸の働きを鈍らせる食品添加物や脂肪分が多く含まれています。脂肪分の多い食事は腸内の悪玉菌を増やし、腸内環境を悪化させる原因になります。便秘を防ぐためには、できるだけ自然な食材を使った食事を心がけることが重要です。

水分補給が不十分

水分が不足すると、便が硬くなり、スムーズに排出されにくくなります。特に、食物繊維をしっかり摂取している場合、水分が不足すると便秘が悪化することがあります。水分補給はこまめに行い、1日1.5〜2リットルを目安に飲むことが理想的です。


便秘解消のための生活習慣の見直し

便秘を改善するためには、日々の生活習慣を整えることが大切です。食事や運動、排便習慣を見直し、腸にとって良い環境を作ることで、スムーズな排便を促すことができます。

毎日決まった時間にトイレに行く

排便のリズムを整えるためには、毎日同じ時間にトイレに行く習慣をつけることが大切です。特に、朝食後は胃結腸反射が起こりやすいため、ゆっくりトイレに行く時間を確保することが望ましいです。

食事のリズムを一定にする

食事の時間が不規則になると、腸の動きが乱れ、便秘を引き起こしやすくなります。朝・昼・夜の3食をなるべく決まった時間に取ることで、腸のリズムを整えることができます。特に、朝食をしっかり取ることが便秘解消に効果的です。

リラックスする時間を作る

腸は自律神経と密接に関係しているため、ストレスを軽減することが便秘の改善につながります。好きな音楽を聴いたり、軽い運動をしたりすることで、リラックスする時間を作ることが大切です。


便秘と腸内フローラの関係:善玉菌を増やしてスムーズな排便を目指す

腸内フローラ

腸内フローラとは、腸内に生息する多種多様な細菌群のことを指します。これらの細菌は、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3種類に分かれ、腸内環境のバランスを決定する重要な役割を担っています。便秘の人の腸内では、悪玉菌が優勢になりやすく、腸の動きを鈍らせたり、便を硬くしたりする原因になります。そのため、善玉菌を増やし、腸内フローラのバランスを整えることが、便秘解消への近道となります。

乳酸菌やビフィズス菌

善玉菌を増やすためには、まず乳酸菌やビフィズス菌を含む食品を積極的に摂ることが大切です。ヨーグルト、ぬか漬け、キムチ、納豆、味噌などの発酵食品には、腸内の善玉菌を増やす効果があります。特に、ヨーグルトは種類によって含まれる乳酸菌が異なるため、自分の腸に合ったものを見つけることが重要です。また、善玉菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維を摂取することで、腸内環境がさらに整いやすくなります。オリゴ糖は大豆や玉ねぎ、バナナなどに多く含まれており、腸内で善玉菌の増殖を助ける働きがあります。食物繊維は、腸内の善玉菌を活性化させるとともに、便のかさを増して排便を促す効果もあります。

腸内フローラを整えることで、腸の動きが活発になり、便秘が改善されるだけでなく、免疫力の向上や肌の調子が良くなるなどのメリットも得られます。毎日の食事に発酵食品やオリゴ糖を取り入れ、腸内環境を整えることを意識すると、より効果的に便秘を解消することができます。


便秘が引き起こす体調不良とそのリスク

便秘は単に排便が滞るだけの問題ではなく、さまざまな体調不良の原因になることがあります。便が腸内に長くとどまることで、腸内の悪玉菌が増え、有害物質が発生しやすくなります。これが血液を通じて全身に巡ることで、肌荒れや吹き出物、疲労感、頭痛などの症状を引き起こすことがあります。

腸内にガスが溜まりやすくなる

便秘が続くと腸内にガスが溜まりやすくなり、お腹の張りや不快感を感じることがあります。ガスが腸内に滞ることで、腸の動きがさらに鈍くなり、便秘が悪化するという悪循環に陥ることもあります。特に、慢性的な便秘の人は腸内に便が長期間滞留することで、腸の働き自体が弱まってしまい、自然な排便が困難になることもあります。

自律神経のバランスが崩れやすくなる

さらに、便秘が続くと自律神経のバランスが崩れやすくなり、ストレスやイライラを感じやすくなります。腸は「第二の脳」とも呼ばれるほど神経系と密接に関係しており、腸の状態がメンタルにも影響を与えることが分かっています。便秘が解消されると気分がすっきりし、集中力が高まることもあります。

痔や大腸の病気を引き起こす

長期間の便秘を放置すると、痔や大腸の病気を引き起こすリスクも高まります。特に、強くいきむことで肛門に負担がかかり、切れ痔やいぼ痔が発生しやすくなります。さらに、大腸の働きが低下すると、大腸憩室症や腸閉塞などの深刻な病気を引き起こす可能性もあります。

このように、便秘は体全体の健康に影響を及ぼすため、軽く考えずに早めに対策を取ることが重要です。食生活や生活習慣を見直し、腸の健康を保つことが、全身の健康にもつながります。


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当院では、便秘でお悩みの方に丁寧に診察と検査を行います。大腸カメラを希望される場合にはWebにて大腸カメラを直接ご予約頂くことも可能となっております。24時間web予約が可能です。

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診療科目 消化器内科、内視鏡内科、内科